マッツォーラ

マルケ州 アンコーナ県 セニガッリア

マッツォーラはアンコーナの北、海沿いの街セニガッリアにあるワイナリーです。元々ワイン愛好家であった当主のマヌエルは1996年に海から約1kmのカンティーナのある畑を購入し、簡易的な醸造設備で趣味の延長として簡単なバルクワインを造っては友達に振舞っていました。しかし、そうしている何年もの間、高品質のワインをつくってみたいという思いが募っていきます。そして2008年から様々なテストや試行錯誤を重ね、2014年についに自身のワインとしての最初の瓶詰めを行います。彼自身の考えとして、ワインは何よりもブドウ畑の個性を直接表現したものでなければならず、何も手を加えずにあらゆるニュアンスを捉えなければならないという明確な考えがありました。 畑では銅と硫黄のみを使用し、肥料は緑肥・放牧型馬農場の有機肥料を選択し、更にはブドウの絞りカスも畑全体に散布されます。 マヌエルはワイナリーを始めてからのこの数十年間で理解した最も重要なことは、まだ発見し、研究し、実験すべきことがたくさんあるということだと言い、新たなアイデアや技術を吸収した上で、この土地ならではのワインを表現することに全力で挑み続けています。

MARELIBERO 2023
マーレリーベロ
品種
ヴェルディッキオ 100%
原産地呼称
IGT マルケ ビアンコ
畑
セニガッリア。海から1kmの場所にある海抜80mの粘土石灰質土壌。樹齢15年
収穫
手摘みにて9月上旬に収穫
醸造
温度管理されたステンレスタンクにて低温マセラシオンを行い、同容器にて野生酵母で発酵。その後、6ヵ月パトナージュを繰り返しながら澱とともに熟成し、瓶詰め。
生産本数
6,500本
『自由な海』と命名されたこのワインは、海から1kmにあるブドウ畑の上を絶えず吹く海風に捧げられています。マヌエルのヴェルディッキオの解釈は、海風がブドウ園にもたらす香りを存分に表現するワインを生み出すことを目指しています。色見の濃い黄金色で石や石灰のミネラルを豊富に感じるアロマに、酸味の穏やかなボディのある果実味が現れ、潮風を感じるような余韻まで続いていく。このエリア特有の粘土石灰質由来の土壌と絡み合っています。Alc.12.5%

GLARUS 2021
グラールス
品種
ヴェルディッキオ 100%
原産地呼称
IGT マルケ ビアンコ
畑
セニガッリア。海から1kmの場所にある海抜80mの粘土石灰質土壌。樹齢15年
収穫
手摘みにて9月上旬に収穫
醸造
良い葡萄のみ選果し、温度管理されたステンレスタンクにてマーレリーベロよりも長い低温マセラシオンを行い、同容器にて野生酵母で20日間発酵。その後、10ヵ月パトナージュを繰り返しながら澱とともに熟成し、亜硫酸を極少量添加し瓶詰め。
生産本数
6,000本
ワイン名はマヌエルの妻の出身地であるブルガリアの言葉で『カモメ』を意味しています。より長いマセレーションとバトナージュにより、海の爽やかな香りだけでなく粘土質土壌由来の味わいの強さも感じることができます。熟成感を感じる黄金色でカリンや熟したフルーツに海苔のようなミネラルとバルサミコのようなほのかな香りを感じる。角が取れた落ち着いた果実の旨味と豊富なミネラルが引き出されており、マーレリーベロよりも少し重心が低い味わい。爽やかな風が吹く穏やかな海でも、強い波の荒れた海でも、岩の上に留まるカモメ(GlaRus)のようにという意味合いを込めた、より満足感を感じられる1本です。Alc.12.5%

COLFONDO 2021
コルフォンド
品種
ヴェルディッキオ 100%
原産地呼称
IGT マルケ ビアンコ
畑
セニガッリア。海から1kmの場所にある海抜80mの粘土石灰質土壌。樹齢15年
収穫
手摘みにて9月上旬に収穫
醸造
温度管理されたステンレスタンクにて非常に短い低温マセラシオンを行い、同容器にて野生酵母で発酵。その後、12ヵ月パトナージュを繰り返しながら澱と共に熟成。そして翌年に収穫された葡萄のマスト(果汁)を10%添加し、発酵が始まり次第ボトリングし瓶内二次発酵。その後デコルジュマンせずに澱と共に最低24ヵ月以上熟成。亜硫酸無添加。
生産本数
2,000本
コルフォンド(col fondo)とは瓶底にたまる澱を意味しています。発酵は終了していますがブドウ畑そのものの香りが底部の澱にそのまま残っており、更にワインは澱とともに熟成するにつれて洗練され続けていきます。このスパークリングワインは1622年(実際には1400年頃からのマルケ州の伝統的な方法)にスカッキオ教授がマルケ州で生み出した世界最古の瓶内二次発酵方法『メトド・スカッキ製法』のスパークリングワインです。悪臭を生み出してしまう為、この製法では翌年に収穫されるブドウが完璧な状態でないと難しい製法になります。瓶内二次発酵後も澱引きをせずに合計36ヵ月以上の熟成期間を経てリリースされているので、香りは溌剌としており、旨味も非常に豊富です。最近この製法が注目されイタリアでも生産量が多くなっているようですが、それらのワインは選択酵母や清澄剤を使用した『非ナチュラル』な物が大半で、消費者を欺くワインだとマヌエルは言います。マヌエルは今後このメトド・クラッキをベースにしたメトド・クラシコ・ナトゥラーレの計画も考えているそうです