ISTINTO NATURALE

イスティント・ナトゥラーレ
シチリア州 トラパニ県 マルサラ

シチリア島西端、マルサラ。海抜ほぼ0メートル、文字どおり海のすぐそばに広がる家族のブドウ畑を復活させるという発想から、レオナルド・アンジレーリを中心に、2019年にISTINTO NATURALE(イスティント・ナトゥラーレ)のプロジェクトは始まりました。
彼らの暮らしにとって、海やスタニョーネ自然保護区の豊かな自然は、切り離すことのできない存在です。畑を吹き抜ける海風と、海岸に近い環境がもたらす独特の風土。彼らが目指すのは、そうした土地の個性を人の手で作り込むのではなく、ブドウを通してワインに表現することです。
その哲学は、ブドウの栽培から醸造まで一貫しています。畑では有機農法を実践し、化学合成資材や除草剤に頼らず、銅や硫黄の使用も必要最小限に抑えることを重視しています。土地に根づいてきた伝統的な栽培方法を尊重しながら、自然環境との調和を大切に、一年ごとのブドウと向き合っています。 醸造でも、ブドウが持つ個性をできる限り尊重します。土着酵母による自然発酵を基本とし、長年の経験をもとに、必要と判断した場合に限ってポンピングオーバーを行うなど、人的介入を抑えながら発酵の進み方を見守ります。白ワインでは短い、あるいはほとんど行わない果皮浸漬を取り入れ、過度な介入に頼らず、ブドウ本来の果実味や産地の特徴を引き出します。
こうして目指すのは、肩肘張らずに楽しめる親しみやすさと、時間の経過とともに味わいの変化を楽しめる奥行きを備えたワイン。華やかさを過度に演出するのではなく、ブドウと土地が持つ個性を自然なかたちで伝えることを大切にしています。
ISTINTO NATURALE――「自然な本能」を意味するその名には、土地とブドウに向き合い、その力を信じる彼らの姿勢が表れています。マルサラに受け継がれてきた栽培の伝統を礎に、海とともに育まれたブドウの個性を、現代の自然派ワインとして表現する。そこには、自然に寄り添う造り手の哲学と、この土地でしか生まれ得ないワインを追求する思いが息づいています。

ZETA 2023

ゼータ
品種
ジビッボ 90%、カタラット 10%
樹齢
15年
畑
マルサラ。海抜0m。粘土質土壌
収穫
手摘みにて9月上旬に収穫。
醸造
ステンレスタンクで野生酵母にて発酵後12時間マセラシオン。その後8ヵ月澱と共に熟成後、無濾過・無清澄にて瓶詰め。So2極少量添加。
生産本数
6,000本

輝く黄金色。グラスから立ち上がるのは、カリンやマンゴーの熟した果実香に、ミントの清涼感が重なる、ジビッボ特有のアロマティックな香り。程よいボディと柔らかな果実味が広がり、口に含むと、ブドウを丸かじりしたような素直でみずみずしい味わいが感じられます。果皮のすぐ内側にある果肉の甘みが余韻まで心地よく続き、豊かな香りを備えながらも、決して重たさを感じさせません。
いくら飲んでも飲み飽きることのない親しみやすさと奥行きを備えた味わいで、アジやブリのような旨味のある魚はもちろん、イワシとフェンネルのパスタとも好相性。魚介の旨味に寄り添いながら、料理の風味を引き立てます。 Alc.12.5% 

Ro.Sa. 2022

ローザ
品種
パルパート(フラッパートやグルナッシュの近種)
100%
樹齢
11年
畑
マルサラ。海抜90m
収穫
手摘みにて9月上旬に収穫。
醸造
ステンレスタンクで野生酵母にて発酵後12時間マセラシオン。その後6ヵ月澱と共に熟成後、無濾過・無清澄にて瓶詰め。So2極少量添加。
生産本数
3,000本

マルサラ周辺に伝わる希少な古代品種、パルパートを100%使用。フラッパートやグルナッシュとの近縁性も指摘される、土地に根ざしたブドウから生まれる個性豊かなロゼワインです。
深みのある朱色。抜栓直後は少し控えめな香りが、空気に触れるにつれてアセロラやチェリー、スモモを思わせる豊かな果実香へと開いていきます。ジューシーな果実味を清らかな酸が引き締め、ピュアで引っ掛かりのない味わいが心地よく喉を通り抜けます。余韻には木苺を思わせる香りが残り、もう一口と誘う飲み心地も魅力です。マルサラの海沿いの畑が育む風土と、自然な醸造が引き出すブドウ本来の個性。果実の豊かさと軽快な飲み心地を兼ね備え、エビなどの甲殻類やマグロ料理とも好相性です。 Alc. 12%