

トスカーナ南西の沿岸部、マレンマ地方のスカンサーノに位置し、2020年に産声を上げた気鋭のワイナリー「レ・スタデーレ(LE STADERE)」。オーナーのアルベルト・パッリーニは、かつて人工衛星を軌道に乗せていたという異色の経歴を持つ「元・航空宇宙エンジニア」です。幼い頃から抱いていたワイン造りの夢と、祖父母の代から続く畑の伝統を、現代の高度な知識と融合させたいという情熱からワイナリーを設立しました。
ブドウ畑は、海抜380mのなだらかな丘陵地帯に位置する小さな町「ポモンテ」に12ヘクタールにわたって広がっています。すぐそばのティレニア海から絶えず吹き込む海風、雨の少ない乾燥した気候、そして水はけが良く石がゴロゴロとした「骨格に富む粘土石灰質土壌」が、彼らのモレッリーノ(サンジョヴェーゼ)に、内陸のエリアとは明確に異なる独自の個性を与えています。このポモンテ周辺の畑は、古代エトルリア人(紀元前8~3世紀頃)の時代からブドウ栽培の適地として高く評価されてきた歴史あるテロワールです。アルベルトは設立当初から、彼と哲学を共有する国際的な農学者兼醸造家ガブリエレ・ガデンツと共に有機栽培を徹底。化学薬品は一切使用せず、ボルドー液(銅と硫黄)のみで病害を防ぎ、必要な場合にのみ有機肥料を与えるという、ブドウの生命力を引き出すアプローチを貫いています。
気候、土壌、そしてブドウ品種の個性を尊重し、「脚色のない、自然と一体となったワイン造り」を哲学とするアルベルト。最先端の宇宙工学を知る彼がたどり着いたのは、母なる大地のリズムに寄り添うことでした。日々研究と挑戦を重ねながら、生命力にあふれる唯一無二のワインを生み出しています。

SESTILE 2021
粘土石灰質の骨格の豊富な土壌。
※11月下旬頃入荷予定
イタリア語で「2つの星が60度の角度で並ぶ配置」を意味する『SESTILE(セスティーレ)』。古くから天体暦(エフェメリディ)において、星同士が手を取り合い、自然界に最も良いエネルギーをもたらす「吉兆のサイン」とされてきました。自然界のバランスが完璧に整うこのタイミングで育まれたブドウは、ポテンシャルを最大限に発揮し、非常に調和のとれたワインを生み出すという想いが名前に込められています。 本格的な味わいでありながら、あえて樽を使用していないため規定上の「リゼルヴァ」は名乗りません。しかし実際には、リゼルヴァの規定を凌ぐ【30ヶ月以上】という異例の長期熟成を経てからリリースされる、非常に贅沢なスタンダード・キュヴェです。 グラスに注ぐと、エッジに美しい熟成のグラデーションを帯びた深みのあるルビー色。完熟したチェリーやイチゴの甘やかなアロマに、ブラックベリーやプラム、奥深いハーブのニュアンスが複雑に重なり合います。長期熟成によるビロードのように滑らかなタンニンと、落ち着きのある完熟した赤系果実の旨みが、心地よく喉の奥へと吸い込まれていきます。 ブドウ本来のピュアな果実味を、長い年月が美しく磨き上げた一本。スタンダードラインでありながら、ワイナリーの途方もないポテンシャルを存分に体感していただける味わいです。Alc.14%

EFFEMERIDI 2021
粘土石灰質の骨格の豊富な土壌。
※11月下旬頃入荷予定
『EFFEMERIDI(エッフェメリディ)』とは、イタリア語で星や月の動きを記録した「天体暦」のこと。ビオディナミをはじめとする自然派農業において、月の満ち欠けや星の位置に基づき、剪定から収穫、瓶詰めに至るまで最適なタイミングを導き出す「月齢カレンダー」としての意味も持ちます。天体と自然のバイオリズムに寄り添い、宇宙の時間が刻まれた特別なキュヴェです。 グラスに注ぐと、エッジに美しいレンガ色のグラデーションを帯びた、輝きのある明るいルビー色。バニラやビターココア、アニス、タイムの複雑なスパイス香に、厚みのある完熟チェリーやインクの深みのあるアロマが立ち昇ります。グラスから溢れるその香りの時点で、スタンダードラインの『セスティーレ』とは一線を画す圧倒的な格の違いを感じさせます。 口に含むと、しっかりとしたタンニンを備えつつも、丸みを帯びた柔らかな果実味がそれを優しく包み込みます。そしてサンジョヴェーゼ100%ならではのエレガントで華やかな香りが、心地よく鼻腔を抜けていきます。幾度もグラスを傾けるたびに深みを増し、その底知れぬポテンシャルに魅了されずにはいられません。スカンサーノ特有の豊かな果実味と、石灰質土壌がもたらす美しいミネラルが見事に調和した、個性が光る珠玉の1本です。 Alc.14.5%
