フィオレッティ・ブレラ

マルケ州 アンコーナ県 カステルフィダルド

『フィオレッティ・ブレラ』はエマヌエラ・フィオレッティとパオロ・ブレラの二人によって2008年に設立されました。アンコーナの南、アドリア海から数キロにある町のカステルフィダルドに位置し、海風に乗って干し草やカモミールの香りが運ばれてくる長閑な田園地帯です。全ての畑で有機認証を取得しており、現在ではビオディナミの原則も取り入れて約10,000本のワインを生産しています。彼らのブドウ畑は粘土質と石灰質の土壌を持つ生き生きとした健康的な土地で、馬、黒鳥、その他の野生動物が多数共存しており、まさに保護された自然のオアシス内に存在しています。施肥は緑肥、ミミズの腐植土、堆肥を使った有機肥料のみを使用し、ブドウの収穫量も意図的に低く制限することで一定した品質の高さを保ち、亜硫酸塩の添加量も低く抑えられています。『海洋堆積物が多いこの地域では化石や石灰岩が豊富な粘土質土壌で、海風の影響が昼と夜の寒暖差を大きくすることでブドウの芳香の発達に欠かせない要素となっている』とパオロは言います。 2015年には、現在ではごく少数の生産者しか栽培していないマルケ州原産の希少なブドウであるガロファナータの栽培にも取り組んでいます。

ARGHILOS 2022
アルギロス
品種
トレッビアーノ 40%
マルヴァジア 40%
ガロファナータ 20%
マルヴァジア 40%
ガロファナータ 20%
原産地呼称
IGT マルケ・ビアンコ
畑
カステルフィダルド。標高70m。樹齢10~35年。石灰の多いシルト質土壌。
収穫
厳選されたブドウのみを手摘みにて9月中旬に収穫
醸造
除梗後に20℃以下に管理されたセメントタンクで野生酵母にて発酵後、30日間マセラシオン。その後、アンフォラにて12ヵ月以上澱とともに熟成後、極少量の亜硫酸塩を使用し瓶詰め。その後ボトルで6ヵ月熟成。
生産本数
1,500本
ワイン名の“アルギロス”は「粘土」を意味するギリシャ語に由来しています。アンフォラはワインにゆっくりとした一定の呼吸を可能にし、深み、そして生き生きとしたミネラル感を与えます。深みのある黄金色。香りはカリン、黄桃にミントなどのハーブのニュアンス。アタックは透明感のある黄色い果実が広がっていき、バランスの良いピュアな旨味を感じることができます。そこまで抽出が強くないオレンジワインなので、料理との相性も広範囲で寄り添ってくれるワインです。 Alc.12%

FAUSTI 2021
ファウスティ
品種
モンテプルチアーノ 100%
原産地呼称
DOC ロッソ・コーネロ
畑
カステルフィダルド。標高70m。樹齢10~35年。石灰の多いシルト質土壌。
収穫
厳選されたブドウのみを手摘みにて9月中旬に収穫
醸造
温度管理されたステンレスタンクとセメントタンクにて低温浸漬を行い15℃で発酵。その後、セメントタンクとバリックを併用し14ヵ月澱とともに熟成後、極少量の亜硫酸塩を使用し瓶詰め。その後ボトルで6ヵ月熟成。
生産本数
4,000本
ワイン名の“ファウスティ”はエマヌエラの父、ファウスティーノ・フィオレッティに捧げられています。紫がかった深いルビー色。ブルーベリーを凝縮したような濃厚な黒系果実と、その濃厚な果実味がしつこくなりすぎない程度に綺麗な酸が支え共存しています。非常にまろやかで上品さも兼ね備えていて、スタンダードラインながらレベルの高さをしっかりと感じていただける1本です。貧しい家庭に生まれた父ファウスティーノは、強い意志と先見の明を持って機械・電子機器関連の会社を設立し、地域の産業発展に貢献しました。その後彼が購入した土地の中には、現在フィオレッティ・ブレラが建っている農地も含まれています。ワイナリーがこのワインを正式に販売する前、「ファウスティ」は彼が毎日飲むワインであり、食卓で飲むのが大好きだったワインだったと言います。ファウスティーノは残念ながら2024年に他界してしまいましたが、このワインは父との思い出や感謝の気持ち、家族との深い絆を物語るワインで、夢を信じ、それを実現した人々への乾杯への意味合いもあるということです。Alc.14%