

地中海の太陽と豊かな自然に抱かれた、シチリア島西部アルカモの丘陵地帯。4代にわたり土地と向き合い、受け継いできた知恵と情熱を、今も変わらず畑に注ぐ家族がいます。それが、ニコラと娘クラウディアが営む「マニスカ(Maniscà)」です。農業を離れる若者が増える現代にあって、クラウディアは父から畑のすべてを学び、自ら大地を受け継ぐ道を選びました。そこにあるのは、単なる家業の継承ではなく、先祖から託された土地を未来へつなぐという、揺るぎない決意です。
ティレニア海を望む標高350〜400メートルの畑には、爽やかな海風が吹き抜けます。この土地ならではのテロワールが、ブドウに生き生きとしたフレッシュさと心地よい塩味、そして見事なバランスをもたらします。マニスカが何よりも大切にするのは、自然との共生。畑ではソラマメを利用した緑肥「ソヴェーショ」を実践し、土壌に窒素と有機物を自然に補給することで、土の構造と肥沃度を高めています。さらに、ブドウの葉や枝の管理にも細やかに気を配り、風通しを確保しながら、樹木の健全な生育と安定した生産のバランスを追求。病害防除には銅や硫黄を用いつつ、有機農業の規則に従って散布の回数と量を必要最小限に抑えています。こうした一つひとつの丁寧な仕事を通じて、畑の生物多様性を育み、土壌と環境を守りながら、ブドウが本来持つ力を最大限に引き出す。それは、目先の収穫だけでなく、土地の豊かさを次の世代へと受け継ぐための選択でもあります。
醸造においても、その姿勢は変わりません。手作業を中心とした丁寧な造りに加え、ワインはすべて無濾過で瓶詰め。さらに、徹底した品質管理があってこそ実現できる、亜硫酸塩の添加量15mg/Lという低水準を追求しています。栽培から醸造まで一切の妥協を許さないその仕事が、ブドウ本来の旨みや香り、そして土地の個性をありのままに表現したワインを生み出します。
彼らにとって伝統とは、過去を懐かしむためのものではありません。それは、未来をより豊かにするための選択です。「大地は搾取するものではなく、手入れし、守り抜くもの。」この信念を胸に、父から娘へ、そして次の世代へ。マニスカのワインには、シチリアの自然の恵みだけでなく、土地を愛し、その未来に責任を持つ家族の哲学が息づいています。海風が育んだテロワール、自然と向き合う造り手の実直な仕事、そして未来へと受け継がれる家族の情熱。そのすべてが、マニスカの一本に込められています。

CLA 2024
※11月下旬頃入荷予定
娘のクラウディアの名前をモチーフに命名されたフリッツァンテの『クラ』。柑橘や白い果肉の果実を思わせる、みずみずしく爽やかな香り。そこに地中海のマッキアを思わせる野性味のあるハーブのニュアンスが重なります。口当たりは軽快で、いきいきとした泡とフレッシュな果実味が広がり、心地よい塩味と美しいバランスが印象的。気取らず楽しめる親しみやすさと、テロワールを感じさせる個性を兼ね備え、日常の一杯からレストランでの幅広いペアリングまで活躍する一本です。

CATARRATTO 2023
※11月下旬頃入荷予定
輝きのある麦わら色。オレンジの花やシトロン、ピンクグレープフルーツなどの華やかな柑橘香に、白桃や黄色いメロン、白胡椒、アーモンドのニュアンスが重なります。口当たりはフレッシュで丸みがあり、心地よい塩味とともに長い余韻が広がり、シチリアの海風を思わせる豊かなミネラル感と、カタラット特有のフレッシュな柑橘、そして余韻に残るアーモンドのほろ苦さが、魚介料理や和食の出汁のニュアンスと見事に同調します。 Alc.12%

MARÌ 2023
樹齢 ネロ・ダーヴォラ20年、シラー10年。
砂質粘土質の中質土壌。
※11月下旬頃入荷予定
力強く、フレッシュでジューシーな赤系果実(チェリー、ブラックベリー)、ブラッドオレンジ、赤花、そして丸みのある黒胡椒の香り 口に含むと、香りの印象がそのまま味わいの余韻に繋がります。しっかりとした骨格のタンニンが、心地よい酸味のバックアップを受けて温かみを和らげ、素晴らしい味わいの体験をもたらします Alc.13.5%
